回路設計とは

こんにちは、キムチャです。

◆この記事は下記を知りたい人に役に立つと思います。

  1. 回路設計とは
  2. 回路設計の種類
  3. 評価について
  4. 設計者のメリット・デメリット
  5. 初心者の成長について
  6. 補足(仕事について)

✔本記事の内容

1.回路設計とは

 身近なものではスマホ、PC、TVなど電気・電子製品の中で電気を役立つ形に仕上げる設計のことです。ベースとなるのはアナログ回路で物理法則に従った部分です。その中にデジタル回路が含まれます。デジタル回路は2値回路と言われる0 or 1(電圧、電荷の有無)の世界です。

 電化製品の中を見てみるとプリント基板と呼ばれる電気・電子の通り道や電子部品の乗った板があります。この板に電気・電子を仕様通りの動きをする様に流すように設計するのが回路設計です(他にもケーブルや電波としての設計もあります)。

 さらに言えば、IT、Web系などのプログラミングも結果として0 or 1を制御していますが、回路設計とは言われていません。この技術分野は完成されたハードウェアがベースにあって初めて実現する分野です。ハードウェアを意識することなく、アプリケーションソフトウェア、プログラミングに集中できる分野です。

2.回路設計の種類

・アナログ回路設計

 電子の物理現象を扱う設計です。音声、電源、RF(高周波)などデジタルの様に0 or 1ではなく自然界の熱や明るさなどのような連続量を扱う部分ですので、ノイズの影響受けたりしやすい繊細な回路が多いです。

 この技術を身に付けるのには多くの時間を必要とします。勉強して、動かして、測定して、調整してなどを繰り返して経験値が蓄積し、感覚的にこの設計なら問題なく動くというような感じです。

 音声は高いクオリティーが求められないのであれば比較的扱いやすい分野だと思います。OPアンプなどと言ったアナログ部品の知識が必要になったりします。周波数が低い分野なので他の回路に与える影響は少ないものの、影響を受けやすく、受けるとすぐに音質が悪くなってしまいます。

 電源の設計は一人前になるのに5年などと言われます。電源はすべての回路の大本になるので大事な部分です。低ノイズ、高効率が求められます。高い電力を扱うことになるので、プリント基板自体の設計や使用部品、放熱、基板のレイアウトの設計なども丁寧に行う必要が出てきます。

 RF(高周波)の設計は一人前になるのに10年掛かるなどと言われたりします。この分野は特殊で分布定数回路という直流や低周波の時と違う概念が必要です。周波数が高くなると電気・電子の扱いが難しくなります。基板の電気の通り道だけでなく電磁波として空間を飛んで影響を及ぼしたりします。プリント基板も特殊な素材のものを使用したり、特殊なパターン(電気の通り道)設計、部品も高周波用の物を使用し、基板のレイアウト設計も正確にする必要があります。

 その他にもノイズを受けづらく、出しにくい電線やケーブルの引き回し方、機構設計の知識も必要になったりします。デジタル回路とも関係が大きいのでその知識も必要になったりします。

・デジタル回路設計

 先に述べたように0 or 1を取り扱う分野になります。大きく分けると、

  1. マイコンを動かす組み込み系設計
  2. PLC・FPGA(論理回路のIC)を動かす設計
  3. 上記2つの周辺デジタル回路設計

となるかと思います。デジタル回路は2年くらいでそれなりのレベルになり独り立ちできるかと思います。と言っても奥が深いので高いスキルを身に付けるにはかなりの時間が必要です。

 組込み系設計者はC言語やアセンブリ言語といったプログラミング言語を使用して、マイコン内部の回路を命令通り使用して逐次処理します。LEDを好きな周期で点滅させたり、ある信号が入力されたときはモーターを動かすようにしたりなどです。内部や外部との通信に使用したりもします。マイコンに繋がっているデジタル部分の回路を理解していないと設計できないのでその知識も必要です。

 PLC・FPGAの内部設計者はVHDLやVerilog HDL(場合によってはC言語)のハードウェア記述言語で内部の論理回路をつなぎ合わせて回路設計をします。マイコンと違い、論理回路自体を使用した設計なので並列処理が可能で高速に動作させることができます(やろうと思えばCPUも作成可能です)。こちらも周辺のデジタル回路を理解して設計します。

 これらの設計はプログラミング言語で書き換えることができることから、難しい処理や設計を要求されがちなのが辛いところです(全体のことを考えれば合理的な考えではあります)。

 またデジタル回路設計でも周波数が高くなってくるとアナログ回路の知識が必要になってきます。論理回路は正しいのに上手く動かないときは、電圧の波形を見たりして、正確に0 or 1の波形になっているか、なっていないときはプリント基板の設計に問題があったりしますので、その辺の理解も必要となってきます。

3.評価

 当然ですが、設計したらうまく回路が動くか確認が必要となります。過不足なく評価項目を作成して、ひとつずつクリアしているか確認していきます。

 デジタル設計者は、必要な機能が動作するのか確認します。大体は一度動くことが確認できれば安心できます。しかし、数千回に一度起こるようなバグもあったりします。想定されていないような使われ方をしたときに暴走するようなこともあったりします。その辺も考慮した評価が必要です。

 アナログ設計者は、機能だけでなく、性能評価も重要になります。色々な測定器を使用したりして、決めたマージンを含めた規定値に達しているか、特性が取られているかなどを見極めます。

 回路の規模が大きくなるほど問題点も多くなり、一回のプリント基板製作で完璧に動くことはほぼないので、試作をして問題点を洗い出して再製作することがほとんどです。

 評価の最中に部品が壊れる、接続が間違っている、部品選定が間違っているなどトラブルが出たときには、半田ごてを使用して部品を交換したり、ワイヤーで繋ぎ変えたりします。そういった修正技術も必要となります。

 もちろん測定器の正しい使用方法を理解していないと、正確な評価結果を得ることができませんので知識、経験が必要です。

4.設計者のメリット・デメリット

◆メリット

  • ある程度難しいことを身に着けられる
  • ものづくりが好きなら楽しめる
  • 考えていたものが、実物の物となり機能する体験をつめる
  • 世の中に自分の作ったものが形として残る
  • 自分の裁量で仕事しやすい
  • 無くならない一生モノの技術が身に付く(特にアナログ回路)
  • 人材不足なので特に若い人は引く手あまた
  • 無くならない技術なので、現役技術者がどんどん引退したら超必須人材となる可能性がある(高給取り分野になる可能性がある)

◆デメリット

  • 一人前になるのに時間が掛かる
  • 若い人があまりいない。辞めていく(特にアナログ回路)
  • 高い専門性があるのに大体の会社で給料はそんなに高くない
  • 物質という壁がある(特にアナログ回路)
  • 作り直しになると多くの時間、お金が必要
  • 隣接する技術の技術者とのコミュニケーションが必須
  • リモートワークができない
  • フリーランスになれない
  • 時代の流れに乗っていない(特にアナログ回路)
  • 独学が難しい(特にアナログ回路)
  • この分野での独立は敷居が高い(場所や物に捕らわれる)
  • 繁忙期の残業が多すぎる
  • 人材不足(特に若手)
  • 年齢層が高いことが多いので古い体質の会社が多い
  • 時代の流れに乗ったIT系のフリーランスの高給が羨ましい
  • ほぼ男性しかいない

5.初心者の成長について

 工業高校、高専、職業訓練校で電気・電子専攻で手を動かしながら学んだことが楽しかったら、おそらく楽しく仕事出来るのではないでしょうか。職場でも比較的技術力があるのはそれらの学校出身者が多く感じます。

 目指す方向性は自由ですが、

  • 物理法則、物いじりが好き…アナログ回路
  • コンピュータ、プログラミングが好き…デジタル回路

 で良いと思っています(難易度が高い設計には数学も必要になります)。

 ちゃんとした会社であればOJT形式で簡単な部分から教育してくれると思います。良い会社なら企画、構想設計の上流から出荷までの一連の業務を最初からOJTで体験させてくれると思います。

 OJTがない会社は当たり前ですが退職をお薦めします。私が最初に入社した会社がそうで採用しておきながら、教育がなく放置プレーされる等、成長しないので結局異動や退職という若者が相次ぎました。

 設計者になるには、トランジスタ技術(通称:トラ技)などの技術本や、身に着けたい技術の本を購入し、仕事時間以外でも勉強が必要になります。自己学習ができないと、設計者になれず部分的な作業要員になってしまうと思います(日本の教育制度の悪いところで教育機関で能力をつけるのではなく会社で人を育てる文化の為、忙しい仕事と両立して多くの勉強が必要になってしまっている)。

 設計で生じた疑問は自分で調べて考えて、わからなければ聞くを繰り返していけば技術が積み上がっていくと思います。

 それとほとんどの仕事においてベースの能力となるコミュニケーション能力も重要です。ここが不足すると、うまく相談や質問ができなかったり、誤解を与えたり、人間関係がうまくいかず、専門技術はあっても辛い想いをすることになります。技術力でマウントを取りに来る人もいます。

 入社したての私は、技術力、コミュニケーション能力どちらも大幅に不足しており、ただただ辛い日々を何年も過ごしていました。今でもコミュニケーションは苦手で、そのせいで仕事を断り切れず、キャパオーバーで過労、体調不良、うつ病になりました。

 必ずキャパシティーの7~8割を限度に仕事するようにしましょう。頑張り過ぎは結局誰の得にもなりません。何のために生きているのかわからなくなってしまいます。幸せになる仕事の仕方を考えましょう。

 コミュニケーション能力についてはエンジニア出身の方が書いた、「最強のエンジニアになるための 話し方の教科書」などが参考になると思います。技術力×伝える力=真のパフォーマンスと謳っています。伝える力を蔑ろにしてきた私もまさにそう思っています。

 ※私の例で恐縮ですが、注意なのは4年制大学の電気・電子専攻卒と思っています。ど田舎出身の私は世間知らずで、浪人時代にあった友人が楽しそうに電子機器の話をしていて、楽しそうだなという感覚で流されやすい私は電気科に進みました。大学にもよると思いますが入学した大学は論理的なことばかりで、手を動かして学ぶ機会が少なかったように思えます(私があまり勉強しなかったのもあります)。実験の講義もありましたが、今思えば仕事とはあまりリンクしていません。

 ただ、大学卒の機電系は就職しやすいのでその分野で就職できてしまいます。そして辛い思いをしてきました。

6.補足(仕事について)

 どんな仕事でもそうですが、仕事内容、人間関係がマッチしないと大変な思いをします。もし自分に合わないと思ったら若いうちに辞めて、色々な分野の仕事にチャレンジし、合うスタイルを獲得したほうが良いと思っています。

  • 自分の時間を大切にしましょう。休日まで疲れて寝て過ごすような仕事のやり方はNGです。
  • 考える時間を作りましょう。
  • 何年後にどうなっていたいのか紙に書き出して毎日読み上げましょう。
  • 人との出会いを大切にしましょう。

→これらは私自身がやってこなくて本当に後悔している出来事です。

 今の時代、終身雇用の補償はありません。倒産の可能性もあります。年金も期待できません。そんな状況なので副業を認める会社も増えてきています。リスク分散し、副業してみるのも良いと思います。副業という点では今の時代恵まれていると思います。ブログ、YouTubeなど個人で多くの人に情報発信が可能でこれがお金に繋がります。これらをうまく利用してみてください。私はまだ駆け出しですが、1~2年くらいコツコツ続ければ成果が表れるようです。今を積み上げれば目標、夢に届くはずです。

何かの役に立てば幸いです。読んで頂きありがとうございました。

以上

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